ごあいさつ
雲水喫茶をご覧いただき、ありがとうございます。
大空をゆったりと漂う雲の如く、さらさらと渓谷や大河を流れる水の如く。
一カ所にとどまらずに自由自在に生きる境地を「行雲流水」といいます。
それが転じて禅の修行僧のことを「雲水」といいます。
何色にも染まらないが、何色にもなれる。
どんな場所にそそがれても、ぴったりと寄り添う柔軟な和をもち
どんな障害にもたじろがず、さからわず、流れていく。
雲水はそんな生活を昔から変わることなく続けて来たのです。
雲水のライフスタイル
７５０年以上の歴史を持つ北陸の禅道場、永平寺。
そこに暮らす雲水の生き方は質素ながら、常に自然とともにあります。
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり」
シンプルで美しいその生活を道元禅師このように詠いました。
一方私達の多くが身をおいている現代の都市生活はどうでしょう。
物質的豊かさと合理的な理屈の上に何不自由なく暮らしているかに見えます。
実はそここそ自然の摂理から遠く離れた最も厳しい修行道場。
不安や悩みのつきないこのライフスタイルは、あと何年続くのでしょうか。
今、ここでキラキラと生きる
ところがそんな中でも、輝きを放って生きている人達がいます。
その人達のことを考えたり、実際に会って話したりするうちに
彼らと雲水との「共通点」を確信しはじめました。
そうか、禅が伝えてきたのはこういうことかもしれない・・・。
雲の如く、水の如く、姿形を変え、とどまることなく流れる生き方。
「雲水のライフスタイル」を共有し、日常の中で実践していくことが
日本を、そして世界を、幸せな笑顔で満たすことに繋がるんじゃないか。
そう思うようになりました。
日頃の雑事を放ち忘れて、地位や名誉にとらわれず、
今この瞬間の縁を全身全霊で心底愉しむ新しい暮らし。
「雲水喫茶」は、そんな暮らしの中にたたずむ
一軒の「茶屋」のような存在でありたいと思っています。
この一服が、皆様のキラキラと輝く日常に少しでも貢献できれば
とっても嬉しいです。
それでは、ごゆるりと。
どうぞよろしゅう
雲水 星覚 九拝
